私たちの身の周りに在る、目には見えないが意識することができる“もの”を捉えようと試みている。
“もの”とは時間や記憶の積み重なりなどから生まれる、場所や物がもつ気配のことであり、
空間のなかに満ちている空気や光がもたらす空気感といった〈 形容しがたいものだが認識されることがら 〉だ。

確かさと不確かさが共存する物質を用いて、“もの“を可視化、
あるいはより感覚と共振させる場を生み出す表現を主に行う。

人が無意識に抱えもった、原体験と重なり合う〈 いつかどこかの、かつての感覚 〉を探っている。

2020.6